木部の塗装、ザラザラをおさえる下地処理って?ポイントは「濡らして」研磨

研磨してなめらかにしたはずの塗装面、
塗料を塗ってみたらなんだかざらざらになった気がする… というご経験はありませんか?

飾るだけなら、そんなに目立つものでもないので問題ないのですが、
日常的に使うものならやっぱり手触りにもこだわりたいもの。

と、いうことで今回は、塗装後の毛羽立ちを防ぐ方法をご紹介します。

そもそも塗装面で何が起こっているの?

と、その前に。
塗装前後でどんな変化が起こっているのかをご紹介します。

まず、よく研磨した木材に白い紙をかぶせて、鉛筆でこすっていくと・・・

wood_after_sanding

こんな感じ。特にぼこぼこのなさそうなこの状態をよく覚えておいてください。

次に、半面だけ塗装します。
塗装前と同じように、白い紙をかぶせて鉛筆でこすると・・・

半分塗装した木材の凹凸

おわかりいただけるでしょうか?
半面だけ、木目が浮き上がっていますよね。

これがざらざらの正体。毛羽立ちです。
木材に染み込んだ水分が蒸発するときに、 木の繊維を持ち上げてしまうことが原因です。

今回塗装したのはタモですが、 タモのような広葉樹は硬い木質のため、
その持ち上がった繊維が肌触りに強く出てしまうのです。

それでは、この毛羽立ちを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか? 詳しいやり方を見ていきましょう。

水性ステインでも毛羽立ちを防ぐ!「濡らして」研磨

必要なもの
・水
・木材を濡らすためのもの(霧吹きでもハケでも)
・塗装したい木材
・やすり

① 塗装面を濡らす

塗装前の木材を濡らす

今回は、mizucolorを塗装する方なら絶対に持っているだろう、 ということで刷毛を使用しましたが、霧吹き等でもOKです。
濡らしたウエスで拭く、という方法もあるのですが、 「毛羽立たせる」ことを目的としているので、
ウエスはなでつけて毛羽が抑えられてしまう点ではおすすめしません。

これを乾かすと・・・

塗れた木材の毛羽立ち

先ほど平らだった半面(下半分)にも凸凹が現れています。

② 研磨をする

濡らして乾いた木材を研磨する

 

毛羽立ったところを研磨で落としていきます。

ザラザラしているので粗めのほうが良いようにも思えますが、
濡らさないと出てこないぐらいのデリケートな毛羽立ちなので、目の細かいもの(180番~240番)程度で大丈夫です。

③ 普段通りに塗装をして完成!

水研ぎ研磨の仕上がり

水研ぎ研磨をした箇所としていない箇所の比較

研磨が甘かったのか左側は少し毛羽立ちが残ってしまいましたが、
それでも最初と比較するとかなり毛羽立ちが改善されました。

比較対象がないと普通の研磨(上半分)だけでも十分綺麗に見えましたが、
こうやって並べると水研ぎ研磨をしたほう(下半分)が色付きも明るく綺麗に仕上がっていることがわかります。
(ただ、普通の研磨の場合の仕上がりも、木材感が強く出るので個人的にはすごくすきです。)

用途に応じて木材、下地処理、塗料を使い分けて

今回ご紹介した水研ぎ研磨。
たしかに、手触りも改善しますし綺麗に仕上がるのですが、
例えば床や壁といった大きな面積に塗装をしたい場合は、 均等に木材を濡らすことが難しく、
また、研磨→濡らす→研磨と手間もかかるため、 あまりおすすめはしません。

でも壁や床こそ手触り・足触りを重視していきたいですよね。

そんなときの対策として挙げられるのは
① 毛羽立ちにくい木材を使用する
② 造膜タイプの塗料を使用する の2つ。

例えば、以前インスタグラムで桐箱を塗装して投稿したのですが、 その箱は普通に研磨→塗装したにも関わらずすべすべの仕上がりです。

塗装した桐箱

冒頭で、広葉樹は硬いから毛羽立ちやすい、と言いましたが、
もし毛羽立ちを気にせずに塗装する場合は、 軽くて柔らかいスギやヒノキ等の針葉樹への塗装をおすすめします。 (例外的に桐は軽くて柔らかい広葉樹です)

また、ざらざらした触感は造膜タイプの塗料を使うことでかなり改善されます。
クリヤーかつ艶なしのタイプであれば、木の色や手触りをそこまで損なわずに済むので ぜひ使ってみてくださいね。
ウレタン塗料の塗装についてはこちらをチェック!

よく触る小さい小物なら水研ぎ研磨、
大きな面積でよく肌に触れる場所なら毛羽立ちにくい木材、
飾っておくだけのもの、触れることはない場所には普段通りの塗装、等、
目的に応じて木材や下地処理の方法を使い分けていきましょう!

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