「使用前に強く振ってください」「使用前に棒でよく攪拌してください」
ほとんどの塗料の缶やカタログに書かれているこの注意書き。
なぜ振ったり混ぜたりする必要があるのか、みなさんお分かりでしょうか?
実は、綺麗に塗料を塗るのに欠かせないとても大切な工程なんです。
「混ぜずに塗るとどうなるの?」
塗料は顔料(色を付ける成分)、水や有機溶剤、樹脂など、様々な成分が混ぜ合わさってできています。
塗料の保管中はそれらの成分が分離していて、顔料などが容器の底に沈んでいます。
分離したまま塗ってしまうと、最初と最後で色が違ったり、塗膜が綺麗にならず性能が長持ちしなくなったりと、思い通りの仕上がりになりません。
例えば、ツヤ消塗料の場合、よく混ぜずに塗るとツヤを消す成分が全体に行き渡らないため、ツヤが出てしまうという事態になります。
しっかり混ぜることで、塗料の性能が発揮されるようになるのです。
混ぜ方のポイント
塗料の混ぜ方にはポイントがあります。
缶に入っている場合、まずは缶よりも長い棒で、容器の底に沈んでいる成分をしっかり混ぜましょう。缶の四隅は特に念入りに、こそげ取るような感じで混ぜます。それから缶を閉めて、容器を上下左右によく振りましょう。
ビー玉を使うのもおすすめです。缶の中にビー玉を入れて、上下左右に振ることで塗料がより混ざりやすくなります。
重たくて振ることが困難な場合は、缶を上下逆さまにして地面に置き、前後左右に揺らしましょう。
小さな容器に入っている場合は、向きを変えながら振り続けましょう。最低でも1分間は振ることをおすすめします。
しっかり混ぜたことで、底に沈んでいた顔料が全体に行き渡りました。
成分が分離して何色の塗料か分からなくなっていましたが、これで分かりますね。
混ぜた塗料と混ぜていない塗料を比較してみると…?
塗料を混ぜることで出来上がりにどれだけの差が生まれるのか、検証してみました。
この板にガードラック アクア A-2 オレンジを塗ってみます。
左側には一切混ぜていない塗料を、右側にはよく混ぜた塗料を塗ります。
ガードラックアクアについてはこちらから↓
https://www.paintmarche.com/shop/products/guardlac_top_aqua.php
違いは一目瞭然ですね。
容器を一切振らずにカップに塗料を注ぐと、ほぼ無色の液体のみが出てきました。
板に塗ってみても、色がうっすらと付くのみでした。
理想通りの色合い&塗膜性能にするには、しっかり混ぜることが大切です。
最後に
塗料をかき混ぜる重要性がお分かりいただけたでしょうか。
塗装の際は“まず混ぜる”ことをお忘れなく!
それではまた次の記事でお会いしましょう。