みなさんは塗装の手法にもいくつか種類があることをご存知でしょうか。たとえば、DIYを行う際にポピュラーな塗装道具として、刷毛・ローラー・スプレーの3つが挙げられます。さて、この3つを皆さんは普段どうやって使い分けていますか?こうした塗装道具を選ぶ際、目的や用途に合った選択をすることで、より効率的に塗装を行うことができますよ。
本来はどの塗装道具も極めようとすると大変奥深いのですが、今回は上に挙げたDIYでよく使われる3つについて、どのように使い分けたらよいか簡単にご紹介いたしましょう。
シンプルながらも奥深い塗装、刷毛塗り
塗料を塗る、といえば多くの方がこの刷毛をイメージとしてお持ちになるかもしれませんね。古くから使われてきた道具だけあって、刷毛は最もシンプルでありながら、個々の塗装スキルの差が顕著に出る塗装道具でもあります。とはいっても、クセがなく様々な塗装に使えるので初心者の方や小さなお子様が塗装される際にもおすすめですよ。
刷毛を使うメリットとしては、塗り広げられた塗料がより木目の隙間に入り込みやすくなる、平らで滑らかな塗膜の形成がしやすくなるといった効果が挙げられます。加えて、最大の長所は小さな箇所でも細かい塗装が出来る点でしょう。たとえば、立体面を塗装する際、隅など塗りにくい箇所は先に刷毛で塗っておくことで、より仕上がりが丁寧になります。
ただし短所が1点。刷毛塗りは少量ずつの作業になるため、どうしても時間と手間がかかるという点です。小物への塗布など塗装量が限定されていれば気に留めないかもしれませんが、大型の家具などを塗るときには大変時間がかかってしまいます。
ちなみに、塗装道具の中でも塗料との相性の良しあしがあることをご存知でしょうか。例えば、弊社の水性塗料・ガードラック アクア、ガードラック ラテックスはともに刷毛塗りを推奨しており、水性塗料には化繊(ナイロン)の刷毛のご使用をお勧めしております。というのも、動物の毛を使った刷毛だと、毛先が固まってしまって使いづらくなる恐れがあるためです。弊社の塗料に限らず、ご使用になる前によく注意事項などをご覧いただくことで、塗装道具と塗料のミスマッチを防ぐことが出来ますよ。
ガードラックをはじめ、塗料に関するよくあるご質問を纏めたサイトはこちら!
広面積を一気に塗装!ローラー塗り
広い塗り面積を有するローラーは、見た目の通り刷毛で塗るよりも短時間で効率的に塗料を塗ることが可能です。付けた分の塗料があまり飛び散ることなくしっかり漏れなく塗装できるため、無駄なく塗装出来ることは大きな強みです。また、刷毛と比較して厚めの塗装が可能なので、なるべく手間なくしっかりと塗装したい方にはおすすめの塗装方法と呼べるでしょう。
しかし、もちろんローラー塗りならではの難しさも存在します。ローラー塗りのデメリットの一つは小回りがきかないことで、立体面の隅など細かい部位への塗装には刷毛を併用しなければなりません。またローラー塗りによる厚塗りはある程度の技量が伴わないと思った通りに塗装できないという難しさもあります。
このローラーについては、今後の記事でその性質や使い方についてしっかりとまとめてお届けいたしますので、今回の記事では簡単な説明にとどめさせていただきます。
形を選ばず塗装、スプレー塗り
スプレー塗りはその名の通り、スプレー缶やスプレーガンを用いて霧状になった塗料を吹き付けて塗装する方法です。インテリアや小物向けというよりは、車やプラモデルの製作などに使用される機会が多いかもしれませんね。スプレー缶の場合は機材も必要なく気軽に塗装できて便利な面も多いですが、いくつか注意すべき点もあります。これからご使用を考えていらっしゃる方は、ぜひ以下をご一読くださいね。
まず、絶対に火気の近くで使用しないでください。そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、実際に火災や事故につながってしまったケースも少なからず報告されています。また、人に向けてスプレーを使用すると非常に危険なので、これも絶対にやめましょう。もしもスプレー塗りを行う際には換気の良い場所、できれば屋外で行うとベターです。最近はホームセンターやDIY工房等で専用の塗装スペースを設けている場所もありますので、そういったスペースを活用するのも手かもしれませんね。
スプレー塗りの長所は、なんといっても複雑な形態であっても問題なく塗装が出来ることです。刷毛やローラーでは塗装しづらい立体的な面であっても、スプレー塗りであれば簡単に塗装が可能です。また、塗膜の厚みを比較的均一に塗ることが出来るという長所も有しています。その代わり、刷毛と比較すると塗料が塗装対象物に実際に付着する割合が低く、効率性が下がってしまうのがスプレー塗りの難点になります。また、その性質上塗料がいろんな方向に飛び散りやすいので、刷毛やローラーで塗装するよりも周囲の環境を整えるために注意を払う必要があります。(ちなみに、塗料が塗装物以外に付着する事を防ぐため、ビニールなどで周囲を保護する作業を”養生”と呼びます。塗装するうえでよく使われる専門用語なので、ぜひ覚えておいてくださいね。)加えて、スプレー塗りでは塗料を吹きすぎると垂れが生じることもあります。塗装を行う際は必ず気を付けるべき点ですが、取扱いの際には特にお気をつけくださいね。
さて、ここまでDIYでおなじみの刷毛・ローラー・スプレーの3種類の塗装道具についてご説明いたしましたが、いかがでしょうか。このように、塗装道具を使い分けることによって、様々な塗装物や用途に幅広く対応することが可能になります。塗装にまつわる様々な道具の使い分けをマスターすれば、よりDIYの幅が広がりますよ。
ぜひ、これを機にお持ちの塗装道具の性質についても確かめてみましょう!