これさえ読めば大丈夫!今さら聞けない塗料の薄め方

塗料を薄めて使いたいと思ったことはありませんか?
このままだと少し使いづらい、けれど塗料はどうやって薄めて使えばよいのでしょうか。
今回は、そんな今さら人には聞きづらい塗料の薄め方について解説いたします。

 

そもそもなぜ薄めて使うのか?

どうしてわざわざ塗料を薄めて使うのでしょうか?
塗料を薄めるという作業には、大きく分けて2つの目的があります。

 ①刷毛やローラーの塗りムラを抑えるため
実は塗料の粘度が高いと、思うように均一に塗料を乗せられず、結果としてムラの原因になることがあります。塗料を薄めることで、こうした塗装ムラを防ぐことが出来るのです。

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▲塗料の粘度が高いとこんな風に塗りムラが残ることも

 ②色を薄めるため
こちらの方が理由として馴染み深い人が多いかもしれませんね。
使っている色味が少し濃いと感じた時に、塗料を上手に薄めて使えば自分の好みのカラーを表現することが出来ます。

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▲Aqurex ポアーステインの塗り板 左から原液・2倍希釈・10倍希釈・50倍希釈・素地

 こういった2つの理由から、塗料を薄めるという作業は塗装時に大きな効果を発揮します。とはいっても、今どき販売されている塗料は塗りやすいよう事前に調整されているものがほとんどですから、塗料を薄める機会はほとんどないかもしれませんね。
それでも、いつそんな機会が訪れるかは分からないもの。

次の項目では、塗料をどのように薄めるのか種類別にご紹介していきましょう。

 

薄め方は塗料の種類によって違う

「よくわからないけれど、とりあえず塗料は水で薄めればいいんでしょう?」と思った方、残念ながら答えはノーです。
実は、塗料の薄め方は塗料の種類によって大きく異なります。
塗料の薄め方をうっかり間違ってしまうと、塗料が本来の性能を発揮できないばかりか、使えなくなってしまうこともあるのでご注意くださいね。

塗料を薄めるものとして真っ先に思い浮かぶものにシンナーがあると思います。
シンナー(thinner/薄めるもの)は、英語の「thin(薄める)」という動詞に由来した言葉です。
もともとはうすめ液という意味ですが、現在の日本国内ではシンナーは有機溶剤、つまり溶剤系塗料の専用うすめ液を指すことが一般的です。

塗料のうすめ液は、塗料の種類によって大まかに以下のように設定されています。

・水性塗料→水

・溶剤系塗料→塗料用シンナー、ペイントうすめ液 等

・ラッカー塗料→ラッカーうすめ液 等

ざっくりとした区分ではありますが、このようにそれぞれ塗料の種類に合わせたうすめ液を使用する必要があります。
ですので、まずご自身が使用される塗料がどういったタイプの物なのか、それに対応するうすめ液は何かを確認することが大切ということですね。

ここまで分かれば、あとは塗料に合ったうすめ液を適切な希釈率で使用し、塗料に混ぜて普段通りに使用すればOKです。
もちろん、上記はあくまでも基本的な考えであり、すべての塗料がこれに該当するわけではありません。水性塗料だからといって、必ずしも水がうすめ液になるというわけではないのです。
たとえば、木材用塗料”ガードラック アクア”と”ガードラック ラテックス”には専用のうすめ液「レジューサー」と呼ばれるものがあります。塗料の性能を保ちつつ色を薄めたい場合は、水ではなくレジューサーの使用をお勧めしています。

※木材用塗料・ガードラックを薄めたらどうなるの?気になる内容はコチラから!

 

薄める割合にも限度がある

残念ながら塗料を薄める割合にも限度があります。
というのも、塗料の持つ保護性能自体を損ないかねないためです。せっかく塗料が塗りやすくなったとしても、塗料の性能を左右する樹脂など重要な成分まで薄まってしまっては元も子もありませんよね。

この塗料をどれだけ薄めてもよいか、いわゆる「希釈率」もやはり塗料によって大きく異なっています。希釈率の目安については、製品の裏面やカタログに書いてあることが多いので、ぜひ一度目を通してみてくださいね。

また、そもそも希釈を推奨していない塗料もあります。
自然派塗料 mizucolorなどはまさにそうなのですが、基本的には原液のままお使いいただくことがおすすめです。
理由としては、元々さらりとして塗りやすい塗料ですし、前述した通り薄めすぎると、塗料の性能を決める成分まで薄まってしまい、保護機能が損なわれてしまうためです。
こういった理由で、mizucolorはそのままの使用をお勧めしています。
もし色を薄めて使用したいという場合は、刷毛で塗装した後にウエスなどで拭き取って塗装するのがお勧めです。

※拭き取り塗装って何?気になる内容はコチラから!
拭き取り塗装って何?ハケ塗りとの違いを比較 | ペイントマルシェ (paintmarche.com)

まとめると、塗料を薄める際は自身の判断だけでなく、ご使用になる塗料のメーカーの基準にのっとって塗料を扱うこと。案外おざなりにしがちですが、実はこれがとても大切なことなのです。

さて、これで塗料の薄め方についてはお分かりいただけましたでしょうか。
何だかんだと説明してきましたが、やってみれば案ずるより産むがやすし!
上手に塗料を薄めることが出来れば塗装の快適さにも直結し、もっと皆さまのDIYライフの幅が広がること間違いなしです。ぜひまずは思い切って試してみてくださいね。

それでは、今回のブログはここまで。次回もどうぞお楽しみに!