BELAY
CREATOR

美麗な暮らしwith BELAY

CASE#04 川上ミホさん

大切な家具やこだわりの雑貨をいつまでも綺麗なまま使いたい――そう考える人たちに寄り添うコーティング塗料「BELAY」は、「美麗」な暮らしの頼もしいパートナー。この連載では、そんなライフ&ワークスタイルで知られるクリエイターの方たちとともに、「BELAY」の登場で変わるこれからの暮らしについて考えていきます。

第四回にご登場いただくのは、イタリアンと和食をベースにした、シンプルでストーリーのある料理とスタイリングが大人気の料理家でフードディレクターの川上ミホさん。川上さんがレシピ研究や料理撮影などを行うアトリエ「quinto」にお邪魔して、お料理の原点について、またライフスタイルについて伺いました。

写真/尾鷲陽介 文/山下紫陽

ソムリエや料理人の経験を経て、現在はさまざまな媒体でご活躍中の川上さん。普段着の優しい味わいでありながら、プロの料理人出身ならではの垢抜け感のあるレシピが人気です。今のようなスタイルに落ち着くまでには、どんな経緯があったのでしょうか?

川上 ミホさん:私がこの仕事を始めたきっかけはワインだったんです。それまでは苦手だったのに、フランスに行った時に飲んだら「こんなに美味しいんだ!」と気づかされて。それでソムリエになりました。料理をしっかり学んだのはイタリアンレストランで。ただ、いざ自分で人のために美味しいものを作ろうと考えた時に自然と浮かび上がってきたのは、自分が慣れ親しんだ日本の食文化、味付けだったんですね。それがイタリア料理とミックスしているという感じです。

私が料理家としてキャリアをスタートさせたのは30代になってからだったので、遅咲きなんですね。最初は「人と違うことをしなくちゃいけない」「ブランディングを考えなきゃいけない」と、「しなきゃ」ばかり頭の中にありました。でも、仕事を続けているうちに、無理を感じるようになってきました。そこで、肩の力を抜いて無理をしなくなったら「それが川上さんらしさだよね」と言ってもらえるように。それには、主人や娘の影響が大きいと思います。

お気に入りのお皿は、洗ったら丁寧にふきんで拭く。「駆け出しの頃は手持ちのお皿で撮影していたのですが、掲載される雑誌に合わせていろんなお皿を集めて、食器棚がごちゃごちゃになっていました。今は自分らしいものだけを選ぶようにしているので、自然と淘汰されたみたいです」と川上さん。

ご主人はアートディレクター、デザイナーなどとして活躍する一方、アーティストとしての活動も展開する川上シュンさん。お仕事の相談などはされますか?

川上さん:はい、仕事のことも家庭のことも、何でも話します。主人は私と性格が全然違うんです。唯我独尊、オリジナリティの人。彼と暮らす中で、考え方の面で大きな影響を受け、これでいいんだな、と思えるようになりました。結婚してから、それまでは仕事として料理をやってきたけれど、それだけではなくなった。娘が生まれて、親業もやるようになったら、忙しすぎていろいろなことを取り繕ってはいられなくなりました。そんな時に「仕事でも、普段通りの料理を丁寧に作ればいい。頑張りすぎなくてもいいんだ」と、楽な方向に行けるようになったのは彼のおかげです。

主人はデザイン仕事に関してはプロとして、クライアントの要望を最大限に具現化するべくやるけれど、アーティストとして作品を制作する時には、半ば趣味として自由にやっていて、その両方がお互いにいい影響を及ぼしているんですね。しかも、アーティストとしての作品を気に入って下さった方から、デザイナーとしての仕事の依頼が来ることもあって。それを見ているので、私も自分のやりたいことやカラーをきちんと示していくことで、クライアントから受けた仕事にも私らしさを反映させられるようになったと思います。

忙しい日々でも仕事と家事をうまくやりくりできるようになった秘訣や、そんな中で川上さんが「これだけは」と決めていることは何ですか?

川上さん:大事なのはなんでもやりすぎないことと、やるタイミングかな。私の場合は、どんなにいろんなことで手抜きをしても、毎食ご飯だけは土鍋か鋳物の鍋で炊くこと。なぜかというと、とりあえずご飯が美味しければ、おかずがシンプルでも満足できるから。

あと、漬物は常に漬けています。私は味も食感も失われてしまうため、おかずの作り置きはしない主義なのですが、漬物は時間が経つことで美味しさが生まれるでしょう? 大事なのはどこに力を入れるか。大切にしているものが、その他のものを引き上げてくれるんです。それに気づいたのは娘が生まれてからですね。

川上さんが常に作っているという糠漬け。余った野菜などもどんどん入れてしまうそう。炊きたてのご飯と漬物の相性は抜群。

どこに力を入れるか、めりはりをつければいいと聞くと嬉しいです! でもやっぱり、外食をしたり、お惣菜を買って帰ったりすることはないのでしょうか。

川上さん:そんなことありませんよ! 私は中食とか外食もうまく組み合わせていったらいいと思っているんです。ただ、買ってきたものをそのまま出すことはせず、好きな器に移し替えています。自分で作った料理でもそうですが、靴がきちんとしていると全身の装いがきちんとして見えるのと同じで、どんなに綺麗な料理でも、紙皿とかプラスティックのパックのままで出したら台無しだと思うんです。

私が家族のために料理をするのは、罪悪感とは別に、そのほうが美味しくて健康でいられるものを作ってあげたい、という気持ちから。ありがとうって言われると嬉しいですよね。食卓での気持ちのキャッチボールって大切。これがあることが、料理が上手になる近道かもしれません。

実家の蔵から持ってきた思い入れのある器と、新しく購入した器をうまく組み合わせて使うのも川上さん流。「実家から持ってきた皿と鉢は江戸時代のもの。グレーのお皿は骨董とも相性のいい yumiko iihoshi porcelain、グラスはスガハラガラスのものです」

このアトリエの空間もとても素敵ですが、ご自宅のインテリアで、美しく暮らすためにこだわっている部分などはありますか?

川上さん:食事のたびにダイニング用のテーブルを出すことですね。ちょうど離乳期が始まって少しずつ仕事に復帰し始めた頃、いつもテーブルの上にものが出しっ放しになっていたんです。それが、ものの美しさを仕事にしている夫にはものすごいストレスだったようで……それで、ならば食事以外の時はテーブルしまっておこう、と天板と脚が別になったテーブルを用意して。やってみると、食べ終わった後にすぐ食器などを片付けるようになったし、床に落ちたパンくずなども目につくので、掃除機もこまめにかけるようになり、部屋が格段に綺麗になりました。私たち夫婦の場合は、テーブルを出したりしまったりする手間も、綺麗な状態が保てるなら気にならない、という感じです。

今回は、アトリエのステンレスのレンジフードの内側と外側に BELAYの「ClearMat(透明艶消し)」を塗らせていただきました。使用感はいかがですか?

川上さん:すごく気に入っています! もともとは艶のあるステンレスだったのですが、マットにしていただいたことで上品な感じが出たんですよね。料理撮影で来た人たちにも好評です。本来、レンジフードというのは人目につくものではないので、ここを改装した時にも丈夫で安いものを、と思ってこれに決めたんです。でも、塗ったことで質感が出て、やっぱりこっちの方がいいな、と実感しています。レンジフードってそんなに頻繁に掃除するものではないので、大掃除のたびに剥がして塗り替えられるのは本当に嬉しいです。

それにしてもこれ、もっと早くに知りたかった! 先に塗っておけば、子供がクレヨンやペンでいたずら描きをしても家具が守られますよね。我が家のおままごとのキッチンセットは家具屋さんに檜材で作ってもらったものなのですが、見事なまでにクレヨンの跡が落ちない(笑)。「結婚前から大切にしていた名作椅子が子供にやられた!」と泣いている人の話もよく聞きますから、BELAYの存在をみんなに教えてあげたいですね。

「今回は裏も表も綺麗に塗っていただけたので本当に嬉しい!厨房風のレンジフードの格が上がりました」と笑顔の川上さん。光沢のあるステンレスでもこれくらいマットな質感に。日々の掃除は水拭きで。
kawakami_face

川上 ミホ

JSA認定ソムリエ、AISO認定オリーブオイルソムリエ、きき酒師、料理家。ソムリエからキャリアをスタートし、国内外のレストランでの経験を経て独立。食のスペシャリストとして書籍・雑誌・TV などを中心に活動。イタリアンと和食をベースにした、シンプルでストーリーのあるレシピとスタイリングに定評がある。レストランプロデュースや商品開発アドバイザーなどとしても活動。