研磨は必要?下地調整に最適なサンドペーパーは?
塗装の方法を調べていると、絶対に出てくるのが研磨。
よっぽど表面が汚いならともかく、そうでないものはそのまま塗っても良さそうなのに・・・と思いませんか?とはいえ塗装は1回勝負なので、試しに研磨なしでやってみる、というのも勇気がいるもの。
そこで今回は、みなさまに代わって、 研磨をせずに塗装するとどうなるのか?
ぺーパーの粗さを80番、180番、320番と変えていくと仕上がりに変化はあるのか?
実験してみたいと思います。
サンドペーパーの粗さと用途
その前に、サンドペーパーは粗さによって3段階に分けられるので、 その区分と用途についてご紹介します。
① 荒目(40番~100番)
② 中目(120番~240番)
mizucolorの塗装なら基本的にこの2種類があればOK。
写真は左が80番、右が180番ですが、
明らかに左はガシガシと削れそうな見た目をしています。
荒目のサンドペーパーは塗装や汚れを剥がしたり、
あまりに凸凹しているときに表面を平らにしたりするのに使用します。
中目のサンドペーパーは、塗装前の下地調整に使います。
特に汚れていないようなときは中目だけで十分です。
今回はそれに加えて③細目も使用しました。
280番~800番の細目と呼ばれるサンドペーパーは、
中塗りや上塗り等、塗料を塗り重ねる際の下地調整に使用します。
80番と比べると、ちゃんと削れるのか不安になるような目の細かさ。
研磨あり・なしとサンドペーパーの粗さ3段階で仕上がりを比較!
今回はヒノキの薄板4枚を ①研磨なし②80番③180番④320番に分けて塗装しました。
<実験結果>
① 研磨なし
今回の木材は無塗装かつ表面に目立った汚れ・凹凸もなかったので、綺麗に仕上がりました。
ただ、木材表面に油分が多く、正面以外から見ると反射して色がわかりにくいです。
写真でも左寄り中央が白飛びしていることがおわかりいただけるかと思います。
② 80番
③ 180番
上の写真をパッと見るだけだと何がちがうのかわかりにくいこの2つ。
よく見ると(写真はなかなかわかりにくいのですが)、80番は毛羽立ちが目立ち、手触りもガサガサしています。
近くで見ると仕上がりがあまり綺麗ではない印象。
ただ、傷がついた部分に塗料が染み込んで着色されるので、傷がしっかりついている分、
しっかりめに着色されています。
180番は、80番と比較すると毛羽立ちも少なく、近くで見ても表面が整っています。
80番に比べて表面が滑らかなので、色づきも軽めですが、
均等に色がのっているので仕上がりが綺麗です。
mizucolorでは180番での研磨をおすすめしています。
④ 320番
木材にハケをつけた瞬間にわかるのですが、塗料が木材に全然染み込まない…!
カップの塗料を付け足す必要がなく、むしろ最初にハケについていた塗料ですら余ったほど。
木材に染み込む塗料の量が少ないので、薄い仕上がりです。
染み込みを気にせずに塗料を乗っければ、
水分が蒸発したときに顔料が残って着色することはできるのですが、
その場合は木目が消えてしまうので、ステイン塗料の良さが発揮できないことに…
研磨するときは木目に沿って、均等に
実は今回、80番の研磨→塗装に1回失敗しています。
せっかく研磨について掘り下げているので、
何が原因でどうなったかもここでご紹介しようと思います。
まず仕上がりがこちら。
特に左半分に、細い線のような跡ができていることがおわかりいただけますか?
先ほど、傷がついたところに塗料が染み込んで着色される、と言いましたが、
木目に沿わずに研磨をかけてしまうと、木目が潰れて、
本来色がつかずに綺麗に木目が出るところに色がついてしまうので傷がとても目立ってしまうのです。
シャビー風加工など、傷がついた風にしたいときにはあえてこのように研磨をしても良いのですが、
綺麗に仕上げたいときは木目に沿って研磨を行うのが鉄則です。
基礎中の基礎なので、心掛けてはいたはずなのですが、
何枚も研磨をかけた後で疲れて雑になってしまっていたのでしょうか…
みなさんはこのようなことのないよう、気を抜かずに最後まで丁寧に研磨をかけてくださいね。
正しい方法でしっかり研磨が綺麗な作品への近道!
いかがでしたか?
適切なペーパーを使用してしっかり丁寧に研磨することの大切さをお伝えできたかと思います。
必要な道具は増えるし、時間もかかるしで、面倒くさいと思ってしまいがちですが、
せっかく塗装をするなら妥協せずに綺麗に仕上げたいもの。
ぜひ、研磨面倒くさいなあ…という気持ちになったら、この記事を読み返して、
綺麗に仕上げるモチベーションを高めていただければと思います。